Event (Japanese)


RC-808 “Drum Rap” コンテスト

オリジナル”Drum Rap”データを作ってコンテストに参加しよう!

応募方法の詳細は、909 Day(2021年9月9日)に発表します。
お楽しみに!

| はじめに | 経緯| 概要と要項 | 応募方法 | 参考音源 | 景品 | 

はじめに

今からおよそ半世紀前のアメリカでの楽器ショーにて、ローランド創業者の梯氏が自分達が開発したりズムボックスにエクスプレッションペダルでアクセントをつけてデモ演奏をしているドン・ルイス氏を見かけ、声をかけたことがきっかけでした。
この時、業界で初めて、単調な自動リズムにノリ、のちのグルーブが導入されたといえるでしょう。

かつてローランド初のスタジオ用ドラムマシンTR-808で、キックドラムのディケイ・タイムを延ばせるようになったときは、業界の失笑を誘ったものでした。しかし、前衛的なDJがこのパラメーターを演奏中に変化させ、さらにリック・ルービンはこれをサンプリングし、ピッチを変えてその重低音をBassとして使い始めました。ドラムマシンがラップし始めたともいえます。

808によってこのように新しい音楽潮流が始まっていたことも知らず、私(アナログマフィア代表 菊本忠男)は後に、MIDIプロトコルのベースになる電子楽器の通信規格を設計していました。
ドラムトラックにアクセントはあるのに、ゲートタイムやピッチが無用になることに違和感がありました。これは冗長回避のためとはいえ、当時は非常に心残りでした。
後にこれらを活用することを提案したところ、失笑はされないものの、周りを困惑させてしまいました。

一昨年、40年前にコストやアナログ部品の体積、性能限界で断念したドラムシンセサイザーをソフトウエアで再現、再挑戦するRC-808を無料でリリースしました。
これでアナログの限界を超えた、アナログマナーでダイナミックな音を合成できるようになりました。
同時に、808の後継TR-909で断念廃除していた、ゲートタイムとピッチを導入したサウンドとパターンを生成できるようにもしました。

RC-808の打楽器には仮想的にフットペダルが装備されており、オープン/クローズして発音を延長したり、ミュートすることができます。つまり全ての楽器で、Hi-Hatワークのような多彩な演奏ができる筈です。

一昨年の808Day にこれを公開した時に、この機能を活用したデモ曲を紹介しましたが、注目度はいまいちでした。そこで今回は改めてドラムのソロでなく、個々の打楽器のソロをHi-Hatワークのように演奏して、新しいリズムパターンを作成することをテーマにしました。

コンテスト開催への経緯

このテーマに注目してもらうためにはコンテスト開催が最適だろうということで、お題(参考)曲をアナログマフィアのチャンジ氏に依頼しました。
初めは、オープン/クローズするBDとSDと言われてもアイデアが発散し集約しないと悩んでいたようですが、たまたま調べものでHip-Hopを検索していたところ、Rapの3要素であるリリックス、ライム、フロウが、オープン、クローズ、ピッチなどと対応し、類似性があったので、「ラップするドラム」というメタフォを提案しました。

彼はたちまちインスピレーションを得たようで、一気に書き上げた10曲ほどのパターンは、予想以上の展開になっていました。こんな逸材が身近にいたことは幸運でした。
しかしヒップホップやラップには門外漢の我々によるDrum Rapなる珍案が、果たしてこの伝統的な音楽の世界で受け入れられるのだろうか。失笑ものではないでろうか。実際そのような失笑の連続が我々の楽器開発の歴史でもありました。

そこで2年前にこのRC-808の初公開でお世話になった藤本健さんと齋藤久師さんにデータを送って評価してもらいました。
失笑どころか、お二人からは高評価をいただき、齋藤さんはこのドラムラップは「アナログマフィアからのミュージシャンへの挑戦状だ」とのメッセージををいただきました。
併せてチャンジ氏の曲にはお褒めの言葉と、曲ごとに丁寧なアドバイスが添えられていました。

「では齋藤さんも”挑発者”としてコラボしませんか?」と提案したところ、クレディットつきで快諾してくれました。お世辞でなく本気でした。

概要と参加要項

Drum Rapとは言っても特に新奇な機構はなく、RC-808のシンセでディケイが長、中、短のもの、要するに Open、Normal、Closed の楽器を合成して、リズムを作成します。
ディケイが異なるそれぞれの楽器をシーケンサのドラムトラックのNoteに割り当て、同様にピッチの異なる幾つかの同じ楽器を隣接Noteに割り当てて、これらをピアノロールで制御するものです。 
アナログマフィアが提供するDrum Kit でばなく、独自のKit、楽器を作りたい人は挑戦してください。RC-808での音作りは難物です。サポートはできませんが、良い作品ができれば採点に有利かもしれません。

参加要項の詳細は順次こちらで発表しますので、時々チェックしてください。:)

応募方法

応募方法は909Dayに発表します。

参考音源

参考音源は順次追加・更新します。

DJ Saito 氏による当コンテスト用スペシャル・デモトラック


Analog Mafia チャンジ氏によるデモトラック

景品

アナログマフィア及び当コンテスト審査員により優秀作品を選出し、景品としてオリジナルTシャツ(希望者はサイン入り)を進呈いたします。